株式会社関東製作所|IPOを視野に、事業・工場別利益を可視化し、設備投資計画を高度化

導入の背景

  • エクセルでの予実管理による動作の重さ、メンテナンスや部署別での社内共有にかかる工数、バージョンの増殖といった課題があり、業務効率化を行いたかった。
  • 細かい粒度での予算策定や予実突合・差異分析、工場と事業2軸での予実の可視化など、分析の高度化を行いたかった。

「DIGGLE」選定の理由

  • 複数の予実管理システムと比較した中で、工場と事業の2軸で分析ができるなど機能が十分でかつ費用もちょうど良いシステムだった。
  • 営業担当による細やかな情報共有や社内提案資料作成の支援など、一番対応が手厚かった。
  • 各システムをデモで比較した中で、一番使いやすいUIだと感じた。

導入による効果

  • 導入の目的であった業務効率化と分析の高度化を実現できた。総勘定元帳のアップロードだけで月次の実績更新・予実突合が完了することで少なくとも毎月約10時間の工数削減を行えるようになった。また事業と工場の2軸でのレポート作成も可能になった。
  • 経営情報の一元化により全社で同じ単位で同じ数字を見て話ができるようになり、コスト削減案などの意見も出やすくなるなど議論の精度があがった。材料費や外注費、粗利など現場が重視している単位で内訳を見れる点も便利。
  • 常に実績+見込で年次の着地数値が更新されるようになり、増員計画や設備投資などの計画立案に活かせるようになった。

株式会社関東製作所は、金型製作を中心にプラスチック成形から自動機の製造、海外展開など、設立75周年を迎えた2023年現在も幅広い分野で事業拡大を続けています。同社では、2030年の「売上高100億円」と「IPO(株式上場)」を目標に掲げており、上場準備の一環で予実管理クラウド「DIGGLE」を導入いただきました。

この記事では、「DIGGLE」選定の経緯や導入効果ついて、同社 管理部 東京管理課 課長の石倉 誠一朗さんと管理部 東京管理課 兼 経営企画部の松嶋 巧さんにお伺いしました。石倉さんは経理部門を中心にバックオフィス全般の幅広い業務を、松嶋さんは2022年に新卒でご入社されて以降経理をご担当されています。

導入背景

IPO準備のため業務効率化と、事業・工場別利益の可視化など分析の高度化を行いたかった

「DIGGLE」導入前はどのように予実管理を行っていましたか?

石倉:予算は粒度が荒く精度も低かったです。予算策定の方法としては、社長が設定する1年の売上、粗利、経常利益の目標値と、会計システムのデータから作成したエクセルの試算表を元に、約30部門に予算をなんとか振り分けている状態でした。実績は会計システムから吐き出したデータをコピペしたら部門損益が出るようにエクセルを作り込んでいました。エクセルには関数を組み込んでおり、また各部門の実績シートと中間の集計用シートなど合わせて50シート程あったので、動作が重たくてしょうがなかったです。また科目や部門の変更があるたびに全てのシートのメンテナンスが必要で、都度工数が発生し当然ミスも起きてしまう状態でした。

表計算ソフトのメンテナンスだけで相当工数がかかっていた状態なのですね。それ以外に課題はありましたか?

石倉:エクセルだと社内の情報共有・連携が難しかったです。全社用の共有フォルダに全部門の数値が入っている見込数値更新用のエクセルファイルを置いてはいたのですが、事業部によっては「自部門のデータしか見れないようにしてほしい」というリクエストがあり、個別に該当部門用の見込更新用エクセルを毎月用意していました。また見込更新は、事業部とメールでやりとりしていたので、エクセルが複数バージョン発生したり、事業部から返信がくるまで何が最新・最終の値かわからないというのも課題でした。そうしたエクセル作業に時間が取られてしまい、細かい粒度での予算策定や予実突合、差異の分析がしたくても手が回らずできませんでした。

システム導入の目的は、主に業務効率化を行い精緻な分析を行えるようにすることでしょうか?要件として考えられていたことを教えてください。

石倉:はい。エクセルを置き換えるだけだと意味がないので、IPOを見据え効率化はもちろん分析の高度化まで目的にシステムを探しました。分析に関しては、補助科目など細かい単位で管理ができるという点と、当社は工場が6つ・事業が3つありひとつの工場の中に複数の事業が混在しているので、工場と事業の2軸でクロス分析ができる点もマストの要件でした。

管理部 東京管理課 課長 石倉 誠一朗氏

選定理由

比較検討した中で機能・費用・担当者すべてが良いシステムだった

システム導入にあたって、他のシステム含め比較検討いただいたかと思うのですが、その中で「DIGGLE」を選定いただいた理由を教えてください。

石倉:複数の予実管理システムとBIツールで比較検討しました。BIツールはできることは幅広いのですが、私たちが実現したいことを達成するためには予実管理専門のシステムの方が良いと考えました。

予実管理システムの中で「DIGGLE」を選んだ理由は主に3つです。1つ目は、実現したかった工場と事業の2軸で分析ができる点です。そもそも比較した他のシステムだと2軸分析できるシステムは少なかったです。2つ目は、費用と機能のバランスがちょうどよい点です。「DIGGLE」より安価なシステムもあったのですが機能が足りませんでした。3つ目は、「DIGGLE」の営業担当がとても丁寧かつ迅速に対応してくれた点です。細やかにコミュニケーションをとってくれるので、欲しい情報や資料をもらいやすかったですし、導入のための社内提案資料の作成支援などもフットワーク軽く対応してくれました。やっぱり導入する側の担当者としては、「こういう人と付き合いたい」と思えるかは正直重要ですね。あとはそれぞれデモも触って比較したのですが、UIも一番使いやすいと感じました。

活用効果

こまめな見込更新や予実突合・差異分析が可能に。IPOを目指し増員計画や設備投資など長期目線での投資計画にも活用

「DIGGLE」導入により、全社的に予実管理フローはどう変わりましたか?現在の予実管理体制について教えてください。

石倉:以前は月次決算が締まってようやく当月の結果がわかっていたのですが、今では常に実績+見込で年次の着地までが更新されるようになり、月次決算を待たずとも当月の結果を精度高く見通せるようになりました。売上の見込はSFAからデータを取り込み、それに伴う変動費は管理部で計算・更新をしています。コストに関しては随時見込更新を行うようにしており、特にトレンドで予測しやすい労務費や、最近変動が大きい動力費に関してはこまめに更新しています。修繕費など突発的な費用に関しても稟議が回ってきたタイミングで更新を行っています。
また予実突合と差異分析に関しては、元々あまりできていなかったのですが、導入後、月次決算が締まってすぐに突合完了までできるようになりました。これまでは予算の粒度が荒く突合・差異分析の意味があまりなかったのですが、IPOを目指していくにあたって、今後は「DIGGLE」で予算も精緻につくりしっかり突合・差異分析を行って見込の精度向上に繋げていきたいと考えています。

 導入背景であった、業務効率化と分析の高度化は実現できたでしょうか?

石倉:はい。業務効率化に関しては、例えば以前は実績更新を月2,3回、会計システムのデータをエクセルにコピペするだけで3,4時間を費やしていました。「DIGGLE」だと総勘定元帳をアップロードするだけで実績更新と予実突合まで自動で行えるので、実績の更新作業ががさっとなくなっただけでも月10時間ほどの時間を生み出せました。また組織改定等があっても設定の変更がすぐできるので、エクセルメンテナンスのような作業も手放せたのは大きい削減効果です。その時間で予実突合や分析など、やれていなかったけれどやるべきだった業務に時間を充てられるようになりました。また要件であった事業と工場の2軸でのレポート作成もできるようになりました。レポートは月次で社内にも共有を行っています。レポート上で要点の共有やそれに対する事業部からの反応など、「DIGGLE」のコメント機能を使ってコミュニケーションもできるようになっています。

御社がビジョンで掲げられている「全員参加型の会社運営」や「長期目線での投資」に関して、「DIGGLE」が貢献できている部分はありますか?

石倉:はい。これまでは各人の情報や資料が分散していて目線がバラバラだったのが、「DIGGLE」導入によってひとつのプラットフォームで同じ単位で同じ数値を見ながら話ができるようになりました。これまで社内には勘定科目粒度での結果(実績)共有しかできていなかったのが、早い段階で細かく見込を見れるようになったので、例えばコスト削減案などの意見も出やすくなるなど議論の精度もあがりました。あとは原価計算や減価償却などのデータも「DIGGLE」に入れています。会計システムだと率の計算ができず権限的に見れる人も限られていたのが、「DIGGLE」だと材料費や外注費、粗利など現場が重視している単位で計算式を組めて見やすくなっているので、その点も助かっています。

「長期目線での投資」に関しては、予実の差異分析や着地見込の可視化ができるようになり、増員計画や設備投資などの計画に活かせるようになってきました。今後は社長が金融機関と話すときの資料作成への貢献など、社長が社長じゃなきゃできない仕事により注力できるようにもっとサポートもしていきたいです。

管理部 東京管理課 兼 経営企画部 松嶋 巧氏

今後の期待

会計システムとのAPI連携とグラフの柔軟性向上に期待

最後に、プロダクトへのフィードバックや今後ご期待いただける点をお聞きかせください。

松嶋:「DIGGLE」への実績の取り込みはCSVデータのアップロードで行いますが、会計システムとAPI連携ができるとより便利になると感じます。現状どちらかというと会計システムのデータ出力がしにくい部分が問題だとは認識しているのですが、よりスムーズになると嬉しいです。

石倉:レポート画面のグラフがもっと柔軟に使いやすくなると嬉しいです。会計知識に関係なく、ビジュアルは一番わかりやすく伝えられる方法だと思うので、有効活用していきたいです。データを出力してグラフ作成をするのは手間がかかるので、ビジュアル化まで「DIGGLE」上で完結できると一番ありがたいです。

 引き続きいただいたフィードバックを元にプロダクトの進化に注力してまいります。本日はありがとうございました!