スパイダープラス株式会社|部門別・明細単位での予実可視化により予算の再配分を実現

導入の背景

  • 着地見込の精度向上のため、部門別かつ明細単位で予実の可視化を行い、予算と実績の差異やその理由、その後の見込等の情報を細かいサイクルで漏れなく把握できる体制を構築したかった。
  • 各部門でも自部門の予算状況を効率的に把握できるようにすることで、全社的な予実意識の向上や、各部の意思を汲んだ予算策定を行いたかった。
  • 本来リソースを割くべき事業成長のための施策など、攻めの経営企画業務に注力するため、予算の集計や予実突合などの単純作業にかかる工数の削減・業務効率化を行いたかった。

「DIGGLE」選定の理由

  • 明細単位など細かい単位での予実管理にマッチするシステムであるため。予算ID(※)により、細かい単位での予実突合や差異の分析・要因特定が非常にスムーズに行える。(※予算IDとは、「部門×勘定科目×予算内容」の組み合わせで自動発番される「DIGGLE」内の管理ID。)
  • 予実管理業務に知見のある専任担当者による永年サポートがあるなど、他のシステムと比べてサポート体制が圧倒的に手厚い。
  • 必要な機能が揃っていて、導入しやすい価格設定であったため。

導入による効果

  • 業務効率化により、着地見込の精度向上のための分析・社内連携など、本来時間を使いたい業務に取り組めるようになった。
  • CFOもM&Aやアライアンスの検討など、攻めの経営企画業務に今まで以上に注力できるようになった。
  • 部門別かつ明細単位での予実管理・突合が瞬時にできるようになり、毎月各部門長と予実差異の理由や予算の進捗状況に関するミーティングができるようになった。
  • 短いサイクルでの着地見込の更新と予算配分の見直しが可能となった。

スパイダープラス株式会社は、建設DXサービス「SPIDERPLUS」の開発・販売を行うグロース市場上場のSaaS企業です。

この記事では、予実管理クラウド「DIGGLE」の選定までの経緯や導入効果、また現在の予実管理フローなどについて、同社 経営企画室 エキスパートの今田 康介さんにお伺いしました。今田さんは1社目で経理、2社目で会計・財務コンサルティング業務に従事した後、2022年2月に同社に入社し、現在はFP&A(Financial Planning & Analysis)として予実管理業務をはじめ、経営会議(執行役員会議)の事務局など幅広い業務をご担当されています。

導入背景

精緻な予実管理体制の構築と、業務効率化により経営企画のリソースを戦略立案など攻めの業務に割けるようにしたい

「DIGGLE」導入前はどのように予実管理を行っていましたか?

今田:以前は会社全体での予算と実績の比較はしていましたが、部門別での進捗管理・分析が十分にできていませんでした。また予算作成はCFOの藤原及び経営企画室と取締役を中心に行われていました。

これらに関連して何か課題に感じられていたことはありますか?またその他にも以前の運用で変えたいと思っていたことがあれば教えてください。

今田:以前はエクセルを使用していたので、一部の科目のみでも予実突合に相当工数がかかっていました。また、予実管理や予算変更・追加の判断といった予算のコントロールが藤原に依存してしまっていました。藤原自身はさらなる事業成長のための施策などもっと攻めの経営企画業務にリソースを割きたいと考えていたのですが、その他の業務の効率化を行わない限りは難しい状態でした。

システム導入により実現したいと考えたことを教えてください。

今田:実現したかったことは主に二つです。一つは、部門別かつ明細単位(案件ごと)での精緻な予実管理体制の構築です。予算や着地見込の精度を上げるためには、細かい単位やサイクルで予算と実績の差異やその理由、その後の見込の把握をしていくことが必要だと考えていました。また各部門でも予実状況を、よりタイムリーに見られるようにすることで、全社での予実意識の向上や、各部門の意思を反映させた予算策定・見直しを行いたかったです。二つ目は、集計や突合などの”作業”を効率化することです。エクセルの数値を埋めていくだけといった作業は廃止して、業績目標を達成するための分析・アクションなどもっと本質的な経営企画業務を行いたかったです。

経営企画室 エキスパート 今田 康介氏

選定理由

細かい単位での予実管理に適したシステムで、サポート体制が圧倒的に手厚かった

「DIGGLE」を選定いただいた理由を教えてください。

今田:複数の予実管理システムで比較選定を行いました。「DIGGLE」を選んだ理由は主に三つです。一つは、実現したかった明細単位での予実管理にマッチするシステムだからです。予算ID(※)により、明細単位での予実突合や差異の分析・要因特定が非常にスムーズにできると感じました。実際、「DIGGLE」だと差異の大きい科目をドリルダウンしていくだけで明細レベルでどこに差異があるかすぐに把握できるので、分析効率が各段に上がりました。二つ目は、サポート体制が充実している点です。予実管理単位の変更や事業部を巻き込むことなどを当初から目的としていたこともあり、大変なことは覚悟していたので、サポート体制は重要視していました。「DIGGLE」はオンボーディングが終わった後でも、予実管理業務に知見のある専任の担当者が引き続きついてくれていつでも相談できるなど、圧倒的にサポート体制が手厚いと感じました。三つ目は、価格です。必要な機能を備えていて、かつ導入しやすい価格でした。

※予算IDとは、「部門×勘定科目×予算内容」の組み合わせで自動発番される「DIGGLE」内の管理ID。

比較選定にあたって、他に重視されたことやポイントはありますか?

今田:予算作成や修正を画面上で入力する方が便利なのか、エクセルベースで作成して取込を行うのが便利なのかは1つの検討ポイントとして考えました。「DIGGLE」はどちらの入力方法も可能なので、実際に使ってみると、予算作成の際や修正が多い場合はエクセルで行う方が便利ですし、適宜細かく修正したい場合は直接入力の方が手軽で便利だと感じます。ゆくゆくは各部署に自分たちで数値入力をしてもらいたいと考えると、画面上でも入力できる方が汎用性が高い気がしています。

御社は初めて面談させていただいた日から、導入の意思決定までが早かった印象があります。システム導入にあたって、「表計算ソフトでなんとかなっているなら、そのままで良いのでは」という意見などはありませんでしたか?

今田:ありませんでした。当社もSaaSを開発・提供している企業ということもあり、「常に最新のSaaSに自分たちも触れよう」という文化があります。実際、様々なSaaSを業務で活用していますし、「本質的なところに時間を使えるようになるんだったらお金をかけてやるべき」という考え方が浸透していると感じます。

活用効果

部門別・明細単位での予算・実績の可視化と各部門長への月次ヒアリングにより、細かいサイクルでの着地見込の更新と予算の再配分が可能に

「DIGGLE」導入により、予実管理フローはどう変わりましたか?現在の予実管理体制について教えてください。

今田:予実管理・突合がスムーズにできるようになり、予算の進捗状況を各部門長により早く展開できるようになりました。それにより、毎月各部門長と個別ミーティングを行って、差異があった箇所の確認や今後の予定のヒアリングなどを通じて、事業の状況を細やかに把握できるようになりました。特に重要なのは、再配分可能な予算を、具体的かつ定期的に把握出来るようになったことだと考えています。

各部の方を巻き込んでいくのは、大変だったと思います。部門の方々に協力いただくために意識されたことはありますか?

今田:各部門長との個別ミーティングを開始する前に、「各部ごとの予算状況を精緻に細かくアップデートしていくことで、業績目標の達成を全社で目指していきたい」という予実管理の目的や具体的に協力いただきたい内容をきちんと説明しました。そのため、導入後の各部との連携はそこまで大変だと思ったことはないです。各部の方にとって身近な明細(案件)単位に管理単位を整えたため目線を揃えて話しができるという点も、スムーズに連携できている理由の一つだと思います。

「組織の距離を縮め、企業の未来の質を上げる」ことを目指してプロダクト開発を行っているので、大変嬉しいお言葉です。改めて、導入により感じていただいている効果をお伺いできますか?

今田:通常業務の効率化により、本質的な業務に時間を使えるようになりました。CFOの藤原も、私に予実管理業務を引き継ぐことができ、M&Aの検討など事業成長に向けた攻めの業務にこれまで以上に力を注ぐことができるようになりました。また、予算の用途に関しては、経営としてどこにリソースを投入したいかに加え、現場の意思を汲むことができるようになり、予算の解像度が高くなりました。着地見込の更新も比較的短いサイクルで出来るようになっています。ゆくゆくは各部門が自分達で予算案を作成・タイムリーに更新し、経営企画は経営層・事業部どちらの意思も踏まえた上で着地見込をコントロールすることに注力できるような状態を目指していきたいです。

今後の期待

予算修正・見直しの抜け漏れを防ぐ仕組みの実装に期待

最後に、プロダクトへのフィードバックや今後ご期待いただける点をお聞きかせください。

今田:予算見直しの抜け漏れを防ぐ仕組みがあると嬉しいです。例えば修正が必要な明細や修正済みの明細にフラグ設定が出来れば、修正箇所を一気に挙げてから作業するような場合でも、抜け漏れがおこらなくなると思います。

引き続き、いただいたフィードバックを元にプロダクトの進化に注力してまいります。本日はありがとうございました!