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予算実績の比較表の例は?【分析例のファイルもダウンロード】

予算と実績を比較するための比較表(対比表)について、どう使うべきか具体的なイメージがわかずにお悩みの方もいらっしゃると思います。

この記事では、予算実績を管理する比較表の概念から具体的な分析手法について紹介します。Excelテンプレートもダウンロードできますのでぜひご活用ください。

予算実績の比較表(対比表)とは

予算実績の比較表とは、部門や担当者、商品、得意先、プロジェクトなどに紐づく予算と実績を比較する予実管理表のことを言います。

期初に創った予算と実績を比較するときは乖離が大きい項目・切り口に注目しましょう。予算に対して進捗率が悪かったり経費が超過していたりしたら課題解決に努めます。

逆に、予実についてよい乖離があるなら上方修正することも大切です。例えば、特定の部門において予算に対して売上の実績がよかった場合、要因を特定して経営資源を集中することも大事な経営戦略と言えます。

予算実績の比較表(対比表)の種類と例

ここでは、予算実績の比較表(対比表)の種類や事例をご紹介します。

全社を対象とした予算実績比較表の例

全社を対象にした予算実績比較表の例です。大まかな状況をつかむ目的に適しています。

例えば、年次で見たときは予算に対する進捗率が100%を超えているけれど、月次で見ると直近は予算を達成できていないということもあります。そのような場合、予算に対して実績が追いついていない要因を分析し、対策方針を打ち出すことが大切です。

反対に、年次で見ると進捗率は悪くても当月で見ると実績は達成できているケースがあります。右肩上がりに改善されているのであれば、その要因分析に、別途次項にあげるようなより細かな予算実績比較表を作成するとよいでしょう。

繰り返しになりますが、全体の動向を大まかにつかむことが目的なので、全社を対象とした予算実績比較表では内訳項目は少な目にすることが多いです。

事業部門別の予算実績比較表の例

事業部門別の予算実績比較表は、責任の範囲に応じた予算の達成率を評価、再分析ができる比較表です。予算と実績を比較して区分ごとに差異を分析し、原因と改善策を考えます。この時、比較表にはKPIをはじめとした非財務指標が現れることに注目しましょう。事業部門の担当者が要因を特定できるよう、表の利用者の視点に合わせて項目を分解しておくことが大切です。

例えば、売上高が未達なら「販売価格×販売数量」が原因です。商品の販売価格を下げないと売れない市場環境なのか、あるいは営業担当者の訪問回数か、広告費が少ないのかなど、売上が上がらない理由もたくさんあります。

事業部門別に詳細な予算と実績を比較することで手を打つべき課題が見えてきます。予算と実績を比較し、具体的な改善策を打ち出しましょう。

販売管理費の予算実績比較表の例

販売管理費の予算実績比較表はコスト面から差異分析ができることが特徴です。

経営会議では企業の提供価値への反応となる売上高の増減に目が行きがちかもしれません。しかし、売上高は外部環境にも影響を受けるのに対し、コストは自社の意思で調整できるため、着地利益の管理においては非常に重要です。期末に無理な経費予算の消化を行うことがないよう、少なくとも月次で予算と実績を比較しながら原因分析と改善策を立案しましょう。余りそうな経費予算をタイムリーに有効な施策へ転換することが、企業を成長に導きます。

予算実績比較表が必要な方に向けて

予算実績比較表についてこの記事では以下について紹介しました。

  • 全社向けの予算実績比較表
  • 事業部門別の予算実績比較表
  • 販売管理費の予算実績比較表

これらの例はExcelテンプレートにまとめました。下記ボタンよりダウンロードしてください。

まとめ

この記事では、予算実績比較表の例と使い方をお伝えしました。適切な経営分析の手法は個社ごとに異なるため、自社のビジネスに応じた予算実績比較表を作成しましょう。

Excelやスプレッドシートの予実管理で項目の追加や切り口の変更を繰り返すと、管理が煩雑になっていきます。予実管理専門のクラウドサービス「DIGGLE」を使うと、人員数やKPIなどの非財務指標も含めた予実管理の対象となる指標をかんたんに管理できます。総勘定元帳やKPI管理ツールの実績データを取り込むだけで、管理会計粒度の項目に自動で突合したり見たい切り口のPLレポートに出力したりできます。また、気になる項目をドリルダウンして直接要因分析を実施することも可能です。

管理会計における集計業務を効率化して経営分析に時間を使いたい方はぜひご検討ください。

監修者プロフィール

鈴木一貴

公認会計士

1985年生まれ。静岡県静岡市在住。大学在学中に公認会計士試験合格後、2009年3月に監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)に入社。その後、2019年7月に同社を退職後、2019年8月に鈴木一貴公認会計士事務所を設立、独立開業。

監修者のひとこと

予算と実績を比較し分析を行うことは、経営管理上非常に重要です。分析が効果を発揮するには、まずは会社の方針や経営戦略・外部環境を踏まえて予算を詳細に作成することがキーとなります。

予算の立て方が詳細に出来ていると、実績との比較も効果的に行うことができ、乖離要因の特定もしやすくなります。予実分析は経営を正しく行うための第一歩です。当記事を参考に、始めていただければと思います。

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