予実管理をExcelで実施するメリットと懸念点
企業活動に最も浸透しているソフトウェアの一つである”Excel”。過去にDIGGLEがとったアンケートでは、約90%の企業で予実管理業務をExcel(スプレッドシート含む)で実施しているという結果でした。
一方で経営の意思決定の迅速化や予実管理業務の高度化、予実管理業務の工数削減などを目的に、予実管理専用サービスの導入を進めている企業が増加傾向にあります。そこで、予実管理業務で利用する観点でExcelのメリット・懸念点と予実管理専用サービスでできることをまとめました。
予実管理とは
企業における予実管理は、期初に立てた経営計画(予算)が予定通り進捗しているかを管理し、達成度合いを見ながら、事業部門と連携して、活動を改善・修正する一連のサイクルを指します。具体的な予実管理業務としては、”予算策定”からスタートし、”着地点管理〜予実管理〜予実ギャップの特定〜事業部と連携した施策の修正・実行”という運用をしている企業が多いです。
予実管理業務の中で、Excelは主に下記の業務で利用されています。
- 予算策定(事業部が記入した予算の統合等)
- 予実管理(予算データと実績データの突合等)
- 着地点管理(着地見込みデータの管理・統合等)
- 経営会議資料の作成
ここからは、予実管理業務をExcelで実施する際のメリットと懸念点をまとめます。
Excelで予実管理業務を実施するメリットと懸念点
Excelは表計算ソフトで、予実管理を行うために設計されたソフトウェアではありません。しかしながら、その万能さから多くの企業の予実管理業務に利用されています。
Excelで予実管理業務を実施するメリット
1.無料もしくは安価
PCの機種によっては、予めExcelがインストールされていることがあります。また、別途購入する場合でも予実管理専用サービスに比べると安価で利用することができます。
2.使い慣れている
Excelは、予実管理以外の幅広い用途で利用されているため、使い慣れている人が多いです。
3.自由度が高い
関数を活用した複雑な計算ロジックの作成や、別ファイル/別シートの数値参照により、関数やマクロの知識がある人は、自由度の高い予算シートを作成することができます。また、経営会議レポートを自社の運用に適したフォーマットで作成しやすいです。
Excelで予実管理をする上での懸念点
1.大量のシートの統合
事業部が作成した予算シートの統合や予算・実績・見込みデータの突合を実施する際に、「関数が消えていた」「参照ミスや計算式の範囲指定漏れ」等あると、数値が合わなくなります。1つのミスが起きた要因を探して修正することに膨大な時間がかかることがあります。また、複雑な設定の場合、作成した本人でナイトメンテナンスができないこともあります。
2.ファイルが重い
関数・数式・リンクの多用や1つのファイルに多くのシートが存在すると、Excelの負荷が大きくなります。その結果、処理速度が遅くなり、ファイルを開くのに時間がかかり、エラーが出て、強制終了の頻度が増えます。場合によっては、ファイルが壊れてしまうこともあるでしょう。
3.複数人での情報共有に不向き
事業部メンバーなど複数人で予算・見込みファイルを共有していると、設定した関数や数式が壊れてしまったり、複製されて、どのファイルが最新バージョンかを把握することが困難なことがあります。
予実管理専用サービスでできること
事業規模の拡大や上場準備の開始、上場企業のグループ会社になるといったタイミングでは、予実管理体制の構築や予実管理業務の高度化を実施する企業が増えます。多くの予実管理専用サービスには、それらの状態の企業の予実管理業務に必要不可欠な「予算データと実績データ突合の工数削減」「事業部の予算消化状況の把握」「予算内容の粒度での予実管理」を実現するための機能が標準搭載されています。「Excelで予実管理をする上での懸念点」に1つでも直面した方は、これを機会に予実管理専用サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
DIGGLEでは、予実管理業務を「高い精度の着地予測数値に基づき、経営資源の再配分を議論するためのインフラ」と定義しています。それらを実現するための高い予測精度の提供により、「ギャップに対するアクションの早期化」「経営層や事業部とのコミュニケーションの円滑化」を支援します。予実管理クラウドサービス”DIGGLE”にご興味を持っていただける方は、サービス資料やセミナー(オンライン)をご用意しておりますので、”予実管理業務”についてお困りごとがある際は是非ご相談ください。