【良い予実管理とは#5】KGI・KPIってどうやって決めるの?人事評価との関係は? | 予実管理インサイト
この記事は、経営企画に造詣の深い、元DMM.comの経営企画で現在はフリーランスの井上伸也さんとの予実管理に関する対談シリーズです。
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KPIは常に磨き込んでいくもの
青木:実際にワークフローを作りながらも、最後OKRや人事評価までつなげていると思うのですが、KPIやKGIの設計なども詳細に現場とすり合わせていったんですか?
井上:財務指標と非財務指標がありますよね。
財務指標はモニタリングの体裁を整える時にバージョンアップしていけばいいと思っていて、予実管理を始めた時は毎月KPIの見直をしていました。
本来追うべき指標かどうかは、実際にモニタリングしてみないとわからない。3ヶ月くらいでKPIを変えた経験もあります。
そうやってブラッシュアップを重ねていくので、1年目、2年目、3年目でモデリングがアップデートされていき、予算の精度がより詳細になっていきました。それを週次で追っていき、仮説検証をすすめる。よって、モニタリングのレベルが会社全体で上がっていくんです。
最初に設定したKPI・KGIに満足してしまうことは多いですが、模索と改善を続けることが大事です。
ちなみに、競合の動向や決算発表とかにも影響受けたりしますので、そこでも予算のモデリングやKPIを見直すこともありますね。
青木:私もリクルート時代に経験があります。
V字回復の初年度は、何が主要KPIになるのかがわからなかったので、ひたすらデータを取って分析して…を繰り返していました。でもそれを1年、2年、3年と繰り返す中で、だんだん精度が上がっていき、追わなくてよくなるKPIとか、そんなに管理しなくてよくなるKPIがでてくるんです。最後は集めた数値を元に状態空間モデルを使って、KGIと相関性の高い数値を分析するところまで作り込みました。
半期に1回モデリングしてKPIを変更するかを検討するという体制でした。
KPIの設定方法を聞く人が多いですが、KPIはずっと一緒ではなく、変化していく、磨き込んでいくものだと思います。あくまで指標なので。
KPIと人事評価について
三輪:横からすみません。ベンチャー企業でマーケティングの担当をしていた時、実際に経営層が重視する数字が目まぐるしく変わって、毎月違う方面で施策を考えないといけないというシーンに巻き込まれたことがあります。
当時の会社に人事評価制度は存在していなかったので、評価に直結することはなかったのですが、変化が激しい中で現場はどういう心構えでいたらいいのでしょうか。
井上:まず、KPIを達成したから評価につなげるというのは難しいかもしれません。OKRでもMBOでも何でもいいのですが、KPIでなくKGIで判断しないといけません。
あとは、KGIに相対評価となる数字、例えばCTRとか、リピーター率とか、パーセンテージで表される数字を設定しないほうがいいですね。
絶対評価で入れられる数字でないとブレてしまいます。
「CTRあげました!」と言われても、母数が100人なのか1,000,000人なのかで、事業へのインパクトは大きく変わってくる。
青木:私は、マーケのKGIはリード数だと思います。施策の数や、○○率向上などは定性評価につながるんでしょうね。
井上:どちらにしてもベンチャーなら走りながらアップデートしていくしかないですよね。どスタートアップだったら、1ヶ月単位で変わるのはしょうがないことだと思います。
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