DIGGLE株式会社、AI構想を発表──「FP&Aエージェント」実現に向けた2029年までのロードマップを示す

経営資源の戦略的な投資判断を支える経営管理プラットフォーム「DIGGLE(ディグル)」の開発・提供を行うDIGGLE株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:山本 清貴)は、AI開発の方針や今後の展望をまとめたAI構想を発表します。また経営企画・FP&A人材が経営者や事業部の真のビジネスパートナーであることにより注力できるよう貢献するAIエージェント「FP&Aエージェント」(※1)の実現に向けた、2029年までのロードマップを公開します。

※1: 「FP&Aエージェント」はDIGGLE株式会社の商標です(出願済み)

DIGGLE AI構想発表の背景

日本企業における課題

日本の生産年齢人口(15~64歳)は、1995年には約8,716万人だったものの、2025年には約7,310万人、2055年には約5,307万人と今後より大きく減少が予測(※2)されており、2025年1月時点でも正社員が「不足」と感じている企業の割合は53.4%と(※3)、人材不足は今後のビジネスにおける大きな課題になっています。特に経営企画の求人は、2015年と2024年を比べると10.0倍に増加している一方、転職者数の伸びは同期間で3.0倍(※4)と、多くの企業で採用難であると推察されます。また日本の一人当たり労働生産性は、2023年は92,663ドル(877万円)とOECD加盟38カ国中32位と低く(※5)、労働生産性の向上も大きな課題となっています。

※2: 内閣府「令和6年版高齢社会白書」 図1-1-2 「高齢化の推移と将来推計」を参照:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/html/zenbun/s1_1_1.html
※3:株式会社帝国データバンクのレポート「人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)」を参照:https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250221-laborshortage202501/
※4:株式会社リクルートのプレスリリース(2024年9月25日)「生産性向上を急ぐ企業、『経営企画』求人が2015年1-6月比10.0倍 潜在課題の発見や解決を担える『付加価値創出力』に期待 給与水準も上昇傾向」を参照:https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2024/0925_14744.html
※5: 公益財団法人日本生産性本部のレポート 「労働生産性の国際比較2024」(2024年12月16日)を参照:https://www.jpc-net.jp/research/detail/007158.html

AIへの市場の期待と注意点

デロイト トーマツ グループがプライム上場企業に対し行った調査では、94.3%の回答者が生成AI導入を有益、87.6%が既に導入していると回答し、また導入目的は企業規模や業界を問わず「業務効率化」が第一に挙げられるなど、AI活用による生産性向上への期待は高まっています(※6)。一方、ガートナージャパン株式会社の「日本におけるクラウドとAIのハイプ・サイクル:2025年」(2025年8月5日発表)(※7)では、以下の提言がされています。

  • AI領域の多くのイノベーションは、過熱しやすい傾向があり、「エージェント型AI」はその典型
  • 企業は、AIエージェント・ウォッシングに留意しながら、過度な期待や過小評価に陥らず、自社に合った導入戦略と展開のタイミングを見極める必要がある
  • 企業を「クラウドやAIを活用できる」企業から「クラウドやAIをビジネスの前提とする」企業へと再定義し、それを支えるクラウド、AI、データ基盤の整備、ならびに時代変化に即した人材のケイパビリティ (スキル、マインドセット、スタイル) の獲得を着実に進めていくことが重要

※6: デロイト トーマツ グループのプレスリリース(2024年5月30日)「デロイト トーマツ、プライム上場企業における生成AI活用の意識調査~社内の利用割合が高いほど成果を感じる」を参照:https://www.deloitte.com/jp/ja/about/press-room/nr20240530.html
※7:ガートナージャパン株式会社のプレスリリース(2025年8月5日) 「Gartner、「日本におけるクラウドとAIのハイプ・サイクル:2025年」を発表」を参照:https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20250805-cloudai-hc

経営企画・FP&Aの課題と今後求められること

経営管理は多くの企業で表計算ソフトをベースに数値管理がされており、データ集計や加工といった作業に多くの時間がとられ、分析や示唆出し、社内を巻き込んだアクションといった業務にまでたどりつけないという声が、かねてより顧客から上がっていました。DIGGLEが2023年12月に実施した調査では、経営数値の更新頻度が高い企業の担当者ほど残業時間が長いという結果も出ています(※8)。

一方で、2023年からの有価証券報告書等でのサステナビリティ情報や人的資本情報の開示義務化をはじめとした非財務情報開示強化の流れや、経営環境の複雑化・変化の加速などの背景から、経営企画やFP&A(※9)は昨今より財務データだけではなくビジネス全体を俯瞰した洞察を提供することや、よりよい意思決定のため経営層や事業部門とより強固なパートナーシップを築くことが求められています(※10)。

※8: DIGGLE株式会社調べ(調査期間:2023年12月15日(金) 〜12月21日(木))
https://diggle.jp/news/pressrelease/20240611/
※9: FP&AはFinancial Planning & Analysisの略で、企業の財務計画立案や分析を行う職種や業務のこと
※10:Gartner, Inc.「Leadership Vision for FP&A」を参照:
https://www.gartner.com/en/finance/role/financial-planning-analysis

DIGGLEのAI構想

DIGGLE AI構想の前提と「FP&Aエージェント」の提供価値

DIGGLEが目指す「AIネイティブなFP&A状態」の定義:
●AIとAI以外(プログラムや統計等)のそれぞれの長所短所を考慮した協調された業務フローとカルチャー・マインドセットが実現できている
●人はAIを手段の一つとしてとらえ、適切な利用シーンを判断できる
●自然言語に依存した複雑な自動化を達成できている

DIGGLEは、経営とは人の営みであり、経営管理の本質は「測定や可視化が人の行動を変える」点にあると考えています。計画(予算)は企業の意思・目指す姿を数値にしたものであり、実績は人が動いた結果です。人の意識や行動を変えなければ、計画を実現することはできません。だからこそ、人の意識や行動を変えるためDIGGLEはこれまでずっと日常に溶け込んで使っていることすら忘れてしまうような”当たり前のツール”を目指して開発してきました。特別感があるものではなく、日々当たり前に使われ続ける手に馴染むツールです。例えば、つい後回しにしがちな数値更新の負担をなくし、必要なときに当たり前に更新できるようにする。一見地味かもしれませんが、そうした本質的な生きた経営管理の実現を追求しています。

AIにおいても、当たり前に手段の一つとして使われる、透明なAIを実装していきます。

経営管理は財務・非財務含め膨大なデータを扱う関係上、そのデータ処理だけで多くの工数がかかり、ステークホルダーも非常に多い領域です。会計やビジネスモデルの理解など、前提となる知識も多いです。だからこそ、経営管理領域においてAIエージェントが果たす「効率化」への貢献は大きいと考えています。例えばこれまで多くの時間をとられていたデータ集計・加工などの業務や、社内資料・IR資料等に含まれる関連データの収集・提案などをAIエージェントが担う・経営企画のアシスタントとなることで、空いた時間を打ち手の検討や事業部を巻き込んだアクションなど、いままでやりたいけれどできなかった業務に注力できるようになります。それにより、経営企画・FP&Aが経営者や事業部のパートナーとしてより一層貢献できる環境、少人数でも「高度」な経営管理を実現します。

さらに、こうした”AIネイティブな”FP&A業務を実現するためには、ただ導入するだけではなく、AIに有用なデータを提供するための個社ごとに適切な業務フローの整備や、AIをひとつの手段として適切に活用する社内のカルチャー・マインドセットづくりをあわせて行っていくことが必要だと考えています。これまで「DIGGLE予実管理」のサービス提供を通じて培ってきた経営管理業務におけるナレッジを活かし、また専任のコンサルタント(カスタマーサクセス)による伴走を行うことで、AI活用においても各社に適したベストプラクティスを提供していきます。

2029年までのロードマップ

2025年から2026年にかけては、既存プロダクトの一部機能や小さな新規プロダクトを通して、お客さまの課題解決にAIアプローチで検証を繰り返していきます。その後2027年にかけて、積み上げた知見・機能を統合することで、AIエージェントである「FP&Aエージェント」を実現し、効率化・自動化の水準を向上させます。その後は1-2年かけて、「FP&Aエージェント」がより経営管理の高度化に貢献できるよう進化させていきます。

AIレポート分析機能の公開

ロードマップ実現に向けた第一弾として、「DIGGLE予実管理」において、損益計算書(PL)を見慣れていない事業部の社員でも直感的な理解ができる、AIレポート分析機能を公開しました。表示するPLにあわせた要点サマリーや示唆出しにより、予算・実績の差異分析時などに担当者が自身の管掌部門の全体像を理解し、注意すべきポイントに気づきやすくなります。これにより、全社で目線をそろえて会話でき、未来に向けたディスカッションやアクションにより注力できるようになります。また要約結果に対しては細かいフィードバックができるようになっており、ユーザーからいただくフィードバックを元に、示すべきポイントや精度の向上など、今後アップデートを続けていきます。

PL分析画面で「PL要約を実行」ボタンをクリックするとAIによる要約が開始
事業部長が見るようなエリア別PLでのAI要約のイメージ
現場担当者が見るような自部門メインのPLのAI要約のイメージ

ロードマップ実現に向けた開発指針

ロードマップの実現に向けて、DIGGLEにおけるAI開発における指針・大切にすることをまとめました。

  • 透明なAIプロダクトを追求します
    真に使いやすいならば、AIであることを意識して使う必要はありません。
    「一瞬だけ面白そうだから使ってみるAI」ではなく、「当たり前に使われ続けるAI」をめざします。
  • お客さまとともに模索します
    FP&Aのあり方が変化した後の姿がどういうものであるかはまだ誰もわかっていません。
    DIGGLEだけで考えるのではなく、お客さまとのコミュニケーションを通じて、目線を揃えながらその姿を明確にしていきます。
  • 安心を第一に開発します
    経営の意思決定のためのツールとして信頼できるものをつくります。
    セキュリティや品質は大前提として、勝手にデータ操作をしない安心感や、結論だけでなく根拠を確認できるようなインターフェースの構築に注力します。

AI開発の責任者である取締役CTO水上のnoteを公開しました。AIによる課題解決にどうアプローチしていくべきかなど、考えをまとめています。あわせてご覧ください:
https://note.com/mizukami_diggle/n/n20837420853c

ご案内

DIGGLEが9月26日(金) に開催する経営者・経営企画部門向けのビジネスカンファレンス「Connect to Transform Conference 2025(略称:CONX 2025)〜隔たりをつなぐ経営企画へ〜」では、DIGGLEのブースにて、今回発表したロードマップやAIレポート分析機能について、DIGGLEの開発担当者が直接説明を行います。基調講演・各セッションでも報道関係者向けのお席をご用意しておりますので、ぜひご来場ください。

タイムテーブルなど詳細:https://diggle.jp/conx/2025/
報道関係者の申し込みフォーム:https://forms.gle/mjdXUjBrCtCV71e78

■「DIGGLE予実管理」について

「DIGGLE予実管理」は「組織の距離を縮め、企業の未来の質を上げる。」をProduct Visionに、経営資源の戦略的な投資判断を支える経営管理プラットフォームです。経営情報をDIGGLE上に蓄積し、適切な権限設定とともに社内に流通させることで、余剰予算を可視化しスピーディーな再配分で生きた経営管理を実現します。予実管理SaaS 2024年度市場シェア率No.1(※)。
我々は、リソース「ヒト」「モノ」「カネ」の適切な経営判断によるアロケーションが経営戦略にとって非常に重要な価値観だと捉えています。今後は「DIGGLE予実管理」で培ったアロケーションの実績を活かし「ヒト」「モノ」の領域に複数プロダクトを展開。第一弾として2025年4月に「DIGGLE人員管理」、第二弾として8月に「DIGGLE売上予実管理」をローンチしました。

※富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2025年版」より
予実管理ソフトウェア、SaaS/PaaS、ベンダーシェア、金額ベース、2024年度実績
https://www.fcr.co.jp/report/251q06.htm

導入企業での活用事例はこちらをご参照ください
https://diggle.jp/case

4分で概要を理解できる「DIGGLE」サービス紹介動画
https://youtu.be/n-W6GHlp2bI?si=GuC1kehyb6CicyMK

■DIGGLE株式会社について

DIGGLE株式会社は、「Dig the Potential テクノロジーで、企業の成長可能性を掘り起こす。」をMissionに、経営資源の戦略的な投資判断を支える「DIGGLE予実管理」をはじめとした、「ヒト」「モノ」「カネ」の最適なリソースアロケーションを実現する複数プロダクトの開発・提供を行っています。「経営の動脈になる。──組織に数字と意思を張り巡らせ、未来を動かす循環をつくる。」をCorporate Visionに、今後成長が見込まれる経営管理市場を牽引する会社として、企業成長に貢献します。
https://diggle.jp/company/about/

【会社概要】
会社名:DIGGLE株式会社
所在地:東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟22階 SPROUND
代表者:代表取締役 山本 清貴
設立日:2016年6月9日
事業内容:経営管理プラットフォーム「DIGGLE」の開発・提供
URL:https://diggle.jp/

【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
DIGGLE株式会社 広報担当宛
pr@diggle.team
080-4740-7189(上砂かみさご)/070-1306-6893(嶋田)

ニュース一覧へ