予実差異分析の勘所 〜上期/下期の確認ポイント〜

 期末の着地予測の精度が高まると、その予測値に基づいて正しく経営判断ー資源の再配分ーを行うことができます。

 把握したい着地地点はそのタイミングによって変わります。上期は年度末の着地点よりも単月や累計、当該四半期の着地がより重視されます。下期に入ると単月のずれよりも意識は年度末の着地に移ります。

 例えば、上期のケースを考えます。プロモーション施策をスリップした。採用予定だったヘッドカウントを埋めることができなかった。こんなことが起きても、その施策を年度内に実行する予定だったり、採用活動を継続していれば、予算を確保しておく必要があります。予実管理表の見込み値は先送り修正されるでしょう。

 その結果、上期は単月のずれが大きくても、見込み値は先送りにされているだけなので年間の着地数字は大きくずれません。上期の経営報告は年度末の着地点よりも単月やその月までの累計の予実差異、その理由が重視される理由です。一方、下期に入ると、リカバリーできる残りの時間が少ないわけですから、スリップ予定の施策や採用が本当に年度内に実行できるのか、という信憑性が問われます。単月のずれよりも年度着地により重きをおいたレポートが必要になる訳です。

 3月末が年度末の企業では秋口くらいから、年度末着地を意識した予実管理が求められます。具体的な方法は、予実差異報告とあわせて先月末と今月末の差異を把握します。さらに期末が近づき第4四半期に入ると、月単位ではなく週単位で先週と今週の差分分析を行う企業も多いようです。

差分分析は、ウォーターフォールチャートをイメージするとわかりやすいです。上の図はデモデータから作成したチャートですが、営業利益への影響は

  • 売上の増加
  • 原価の減少
  • その他販管費の増加

によるものが大きな影響だと読み取れます。

 前回の打ち合わせから着地がどのように推移したのか。誰が執行を予定しているどのコストに変化があったのか。変化の差異から読み取ることができます。また、単月予実差異と着地点予実差異を可視化し比較すれば、執行予定日を過ぎているのに使われていない予算が本当に使う必要がある予算なのかを追いかけることができます。

 コストの予実ギャップは、使う予定だった予算(担当者が手放さなかった予算)が結果的に消化しきれずに余ってしまうことで発生してしまうことが多いようです。

 本日は予実差異分析のとり方と時期によってレポートで重視される内容が変化することを書きました。DIGGLEを使うと予実差異を可視化、分析することを誰でも簡単に行なえます。具体的にDIGGLEのレポートからウォーターフォールチャートをどのように作成するのかは次回に書きますね。

続編はこちらです。 予実差異分析の勘所 〜DIGGLE着地差異レポート設定編〜 

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