脱エクセル・ペーパーレスを推進。予算策定の工数も従来の半分に

導入の背景
- 経営を含む、社内だけでなく、ステークホルダーも含めた情報提供スピードの改善をしたかった
- 予算・実績および業績見通しに関連する業務の「脱エクセル」「ペーパーレス」を推進したかった
選定理由
- 一番の目的だった脱エクセルが可能で、自社の課題解決に一番マッチしているシステムだった
- ドリルダウンで予実差異の要因を簡単に深掘り把握できる点がよかった
導入効果
- 各拠点から直接「DIGGLE」に情報を入力してもらうことで、エクセルの集計作業や事前準備が不要となり、作業工数が半減した
- 月次で実績が締まった後すぐに、経営陣が管掌領域の予実レポートを見られるようになった
- 予実の精緻な可視化により、コストコントロールや報告、打ち手のアクションなどに各店舗・拠点が主体的に取り組むようになった
東急スポーツシステム株式会社は、主に東急線沿線でフィットネスクラブやスイミングスクールといったスポーツ施設を運営するほか、指定管理施設の運営や健康経営のサポート等、幅広い顧客を対象に事業を展開しています。
この記事では、予実管理クラウド「DIGGLE」導入までの経緯や実際にどうご活用されているか、さらに今後のご期待について、同社コーポレート本部の田淵さん、吉田さん、原さん(以下、敬称略)にお話をお伺いしました。
導入背景
情報共有の迅速化とペーパーレス化を目指す
まずはみなさまが所属している部署の業務内容についてご紹介をお願いします。
吉田:私たちはコーポレート本部に所属しています。コーポレート本部は人事・総務、経理、経営企画の部門に分かれており、私たちは経理と経営企画を担当しています。
以前の予実管理プロセスについて教えてください。
吉田:当社が直接運営している施設を含め、事業拠点としては約30拠点あり、年間計画を策定する段階では共通フォーマットとしてエクセルシートを配布していました。拠点単位では、数値計画とともに根拠となる情報の入力作業があり、提出されたエクセルシートの集計と整合性の確認を私たちが担当するといったプロセスでした。
実績は、毎月の実績が確定後、予実差異とその要因を分析し経営層ならびに社内共有をしていました。単店、事業部門、エリア等、組織体制に合わせて情報が確認できるように、集計単位も複数準備する必要がありました。 特に収益見通しは、顧客管理システムと連動しているため、見通すことは可能でしたが、費用については会計システムで集計してしまうため、差異要因の確認に別途、資料の準備が必要な状況でした。
「DIGGLE」の導入を検討されたきっかけについてお聞かせください。
田淵:前述の通り、売上、費用動向を把握するためには、各管理システムを閲覧する必要があったため、店舗運営をしながら、業績予測を立てることは至難の業でしたが、一番の課題は脱エクセルでした。エクセルを使用して集計するために、店舗、事業部門、経営企画それぞれで発生していた作業の多さを解消することで、ペーパーレスにもつながると考えました。
特に見込策定の段階では、計画に対する変動見通しを立て、数値化したエクセルを全社サマリとしてまとめ、承認されなければ再作成する。これはコロナ禍以降加速した事業環境の変化に対応できておらず、抜本的な工数の圧縮が急務となっていました。
選定理由
脱エクセルと予実差異の要因分析のしやすさが決め手
システムの選定はどのように始められましたか?
田淵:当時のチームメンバーが経営管理に関する展示会に足を運び、エクセルを使わずに予実管理ができるシステムを探していたところ「DIGGLE」に出会いました。 当然、他のソリューションの提案もいただきましたが、当社課題に一番マッチしたものが「DIGGLE」でした。
その他に検討のポイントや、よいと感じていただけた理由はありましたか。
吉田:費用からドリルダウンをして「これは何か」「いくらなのか」「なぜ増えているのか」といったことが簡単に把握できる点も「DIGGLE」がよいと思ったポイントの一つでした。
活用効果
精緻な予実の可視化により、各店舗責任者の主体的なコストコントロール・アクションにつながった
「DIGGLE」導入後の業務の進め方についてお伺いします。まずは予算策定におけるプロセスの変化やそれによる効果を教えてください。
吉田:現在は各店舗・拠点側で直接「DIGGLE」に入力してもらう運用に変えています。
従来の運用に比べ、作業工数はかなり削減できています。「DIGGLE」に入力した予算は昨年実績との比較も簡単にできるので、過去のエクセルを開く手間が省けたり、誤操作によってデータが消失したりといったこともないので好評です。
エクセルを使わなくなったので、集計に必要な事前準備や関数・マクロを組むための工数がなくなりました。体感では従来の半分以上は工数を削減できていると思います。
田淵:当社では2024年10月に組織改正があり、それと同時に部門名称が変わったのですが、エクセルで運用していたときは、組織改正のたびに手作業で部門名を変更し、集計する作業が非常に煩雑でした。「DIGGLE」は部門名の変更をすれば、過去の情報も最新の集計範囲で比較できるので、メンテナンスの観点でも非常に楽をさせてもらっています。
予算策定後の経営陣とのすり合わせも「DIGGLE」をベースに行っているのでしょうか。
吉田:そのとおりです。社内での合意形成から経営陣による確認まで、すべて「DIGGLE」で行っています。以前のようにデータをエクスポートしてサマリーを作る必要もなくなったので、資料作成の手間も省けていますね。
月次の予実分析や見込管理についてはどのように変化しましたか。
吉田:月末で締めた実績は経理部で集約し、会計ソフトで伝票起票を実施・確定します。その後毎月15日前後に「DIGGLE」に実績をアップロードして予実表が反映されるので、そこから差異分析や要因分析を行い、経営陣に報告するという流れになっています。
経営陣も「DIGGLE」を見ることができるので、月次で予実が固まり次第、各管掌領域の状況を事前に見てもらい、ミーティングで状況の共有を行うような形です。
見込に関しても、予算と同じく四半期ごとに各拠点・店舗の管理者に「DIGGLE」に直接入力してもらっています。最初に策定方針や「全社でこれくらいの収益を目指そう」といった概要について私たちから発信を行い、その後入力された内容を「DIGGLE」上で見て、最終的にすり合わせをしていく流れです。こちらも紙ベースを脱却し、クラウド上での一元管理に移行したことで、関係者全体で大幅に工数削減ができています。
エクセルで管理・運用されていた時と比べ、特に社内でどんな変化を感じられていますか。各店舗の責任者の方などの反応・変化もあれば教えてください。
吉田:「DIGGLE」で情報を一元管理し、全員がそれを見ているので、関係者間での認識のズレのようなものはなくなったと思います。
田淵:「DIGGLE」には会計システムのデータをそのままアップロードしているので、タイムリーかつ正しい情報を把握できる環境があるのは非常に心強いです。
吉田:あとは全社で月次情報の精緻化が大きく進みました。費用については「DIGGLE」を使ってドリルダウンできるようになったため、コストコントロールを主体的に行うよう社内の意識が変化しています。むしろ「これはうちの費用ではない」といった私たちの作業エラーを指摘されることもたまにあるほどです。(笑)
売上についても同様で「なぜこの収入が減っているのか」といったことも、こちらから言わなくても主体的に報告や、アクションしていただけるようになっています。
みなさんは「DIGGLE」をどのくらいの頻度で見ていますか。また特に気に入っている・役に立った機能があれば教えてください。
吉田:ほぼ毎日見ています。機能で言うと、会計システムを見なくとも、「DIGGLE」上で実績データの確認ができる点が役立っています。例えば過去に使った水道代を出すときに、実績データで店舗名を絞り込むことで簡単に一覧化できるといった使い方です。キーワード検索だけで明細ごとに過去データまで見ることができるので非常に便利ですね。
原:自由度の高い設定ができる点が気に入っています。例えば組織改正があったときに一時的に組織名を戻すと言ったことが手軽にできるのは便利です。
田淵:実際、これまで何社かから「DIGGLEってどんな感じ?」と聞かれたことがあるのですが、全部ひっくるめて「めちゃくちゃ使い勝手いいよ」といつも話しています。
一般的に経営企画の業務、特に予算管理や管理会計の領域は属人化しやすいと言われています。仮にどなたかが異動になった場合、引き継ぎに時間はかかりそうでしょうか。
吉田:「DIGGLE」を全社で展開しているので、操作に苦労することはないと思います。PLを理解している方であれば、引き継ぎに労力がかかることはないと感じています。
今後の期待
モバイル対応でさらなる利便性向上を実現したい
最後に「DIGGLE」の活用について今後の予定や、ご要望・ご期待などをお聞かせください。
吉田:現在、各店舗の在籍者数や各月の入会者数・体験者数といった非財務データはまだエクセルで管理をしています。「DIGGLE」では非財務指標の取込や管理などもできるので、ゆくゆくは会員管理システムとの連携を含め、集約を検討しています。
田淵:ぜひモバイル対応を実現してほしいですね。特に接客が中心となる店舗では、着座して作業する時間に限りもあるため、モバイル端末で「DIGGLE」の情報をチェックできれば、顧客接点での付加価値化にもつながり、有用性が広がると感じます。
本日はありがとうございました。