株式会社シャノン|M&A強化を機にシステムを導入し経営管理の属人化を解消

導入の背景

  • エクセルでの経営数値管理による煩雑さや属人化を解消したかった。
  • M&A強化で、今後管理する子会社・事業の増加が予測されるタイミングで、グループ全社で使用する予実管理のフォーマットを整備しておきたかった。
  • 企業/部門/サービス別で計画進捗状況を可視化することにより、経営の意思決定のスピード/質の向上に活かしたかった。また計画進捗を意識した事業運営のため、各事業部にもレポートの共有を行いたかった。

選定理由

  • エクセルでの管理からシステムへ移行するイメージがしやすかった。
  • 配賦含め部門/企業/サービス別など管理会計で見たいさまざまな切り口での損益計算書(PL)の作成や、連結での予実管理など、求める運用が実現できた。
  • 予算/実績/見込を細かく管理するのにマッチしたシステムだと感じた。

導入効果

  • エクセル管理による属人化が解消され、持続的な事業運営を行いやすくなった。
  • カスタマーサクセスによるサポートもあり、配賦など含めグループ全社の予実管理を「DIGGLE」上で完結できるようになった。
  • 企業/部門/サービス別でのレポート作成や各部への共有が可能になり、各部の担当者含めた対策の議論や、解像度の高いスピーディな打ち手の実行が可能となった。

株式会社シャノンは、クラウドテクノロジーをコアに、企業のマーケティング課題を解決する製品・ソリューション・サービスを提供している企業です。

この記事では、同社が予実管理クラウド「DIGGLE」を採用するまでの経緯や導入後の効果などについて、執行役員 副社長の永島毅一郎さん、経理部 マネージャ―の森香代子さんにお話を伺いました。

導入背景|買収企業のPMIをきっかけに、グループ全社での予実管理フォーマット整備の必要性を痛感

まず事業や、お二人の業務領域などについて教えてください。

永島:執行役員 副社長の永島毅一郎です。当社はクラウドサービスとして「SHANON MARKETING PLATFORM」というSFA機能一体型のマーケティングオートメーションをメインに、バーチャルイベントのプラットフォーム「ZIKU」や広告の運用プラットフォーム「SHANON アドクラウド」などの製品を提供しています。基本的にはサブスクリプションビジネスで、あらゆる方面からお客さまのマーケティングを支援する事業を展開しています。

私は、事業計画・戦略の策定・執行を担当しており、その一環で予実管理もメインで担当しています。ファイナンスの責任者としてはCFOがいるので、私は執行側をメインで担当しているようなイメージです。

森:経理部のマネージャーをしている森です。子会社含めた連結の経理業務を担当しています。

「DIGGLE」導入前は、単年度の予算策定や月次の予実管理業務はどのように行われていましたか?課題として感じられていた点と合わせて教えてください。

永島:導入以前は予実管理業務は全てエクセルを使用して行っていました。単年度の予算策定としては、まず各事業の責任者と社長を中心に売上目標をつくり、現場とすり合わせをしながら必要なコストの試算など細かい数値をつくっていました。

森:月次のフローに関しては、月初8営業日ほどで子会社を含めて実績を締めます。その後、「DIGGLE」導入前は「原価内訳」というエクセルファイルを別途つくり、元帳も含め永島さんにお渡しして、そこから永島さんが予算・実績の差異分析やPLレポートを作成するという流れでした。

永島:はい。もらった実績データを細かくチェックしながら、PLのレポート形式に落とすのに、さらに3日ほどかかり、その後経営層に共有を行うというような流れです。しかもレポート作成の3日間はそれ以外の業務は手が回らないような状態でした。

また予算策定や月次業務の過程でエクセルのファイルが何十個もでき、さらに期中で組織変更やM&Aがあると全てのエクセルを作り直さなければならず、1人でメンテナンスをしていたのでミスがあっても気づくのが難しい状態で、エクセルでの管理に限界を感じていました。私がいないと上場を維持するのは厳しいのではないか、くらいの危機感を感じており、属人化をなんとかしたいという思いが強くありました。

エクセル管理による煩雑さや、永島さまへの属人化を大きな課題に感じられていたのですね。システム導入を検討するきっかけは何かありましたか?

永島:システム導入を検討する大きなきっかけになったのは、M&Aで子会社ができたことです。当然、買収先の企業では自分たちと予算管理の粒度や方法も異なる中で、これまでの数字を読み解き、連結での計画をつくっていくのはすごく大変でした。その後もM&Aに注力していく予定があり、この段階でグループ全体で管理できるフォーマットをしっかり作っておきたいと考えました。

PMIへの取り組みをきっかけにシステム化を検討されたのですね。その他にシステム導入によって実現したかったことはありますか?

永島:エクセルでの管理だと配賦含めた部門や会社ごとのPL表現がうまくできていなかったので、システムを活用して可視化したいというのもありました。部門やサービス別での予実分析などをより精緻に行い、経営の意思決定に活用したいというのもありましたし、各事業部門に自分たちの部の数字を見てもらえるようにすることで計画やその進捗をより意識した事業運営に取り組んでもらいたいという思いもありました。

選定理由|予算/実績/見込の細かい管理にマッチ。エクセルから移行するイメージも持てた

予実管理システムを検討するうえで他のサービスと比較などはされましたか?「DIGGLE」を知ったきっかけについても教えてください。

永島:システム導入を考えWeb検索で「予実管理 システム」と検索して出てきたのが「DIGGLE」を知ったきっかけです。そこで出てきたもう1社を含め2社で比較選定しました。

「DIGGLE」をご採用いただいた理由や決め手を教えてください。

永島:やりたかった部門別PLの作成や配賦、連結の設定ができそうと感じたのがまず最初の理由です。これまで予算/実績/見通しの数字をけっこう細かく管理していたのですが、それもそのままシステムで実現できるというのも感じました。ビューがわかりやすく、エクセルからの移行をイメージしやすかったのも大きかったです。

また当時は選定理由として重視していたわけではなかったのですが、配賦ルールや子会社含めた管理など新たに予実管理のフォーマットを整理していくにあたって、「DIGGLE」のカスタマーサクセス担当者が初期設定からずっとサポートしてくれたのはとても助かりました。

活用効果|エクセルから脱却し属人化を解消。企業/部門/サービス別分析で経営の打ち手がスピーディに

「DIGGLE」導入後の現在の予実管理フローについて教えてください。

永島:現在は、月次レポート(※1)で会社や部門ごとのPLを作成し、各組織単位で差異分析や見通しの報告を行っています。配賦も「DIGGLE」導入時にルールの整理を行い、実績データのアップロードを行うだけで予実突合と配賦処理まで完了できるようになっています。

各事業部門にそれぞれのPLレポートの共有もできるようになったので、経営層への速報を行った際に挙がった課題を、現場と各担当役員が話し合い、各部ごとの対策を含めその後の取締役会で議論することができるようになりました。

※1: 月次レポートとは、一度要望に合わせてカスタマイズしたPLを翌月からワンタッチで自動生成できる機能。

月次レポートの作成イメージ。機能紹介ページはこちら

「DIGGLE」導入後、当初の課題だった属人化や煩雑になっていた管理は解消できましたか?

永島:まずエクセルからの脱却ができました。私の作業でエクセルを使うことがなくなったので、エクセル管理による属人化が解消されました。「DIGGLE」で全て完結できるようになったことで、自分が急に動けなくなっても稼働できるようになったと思います。また以前はわからない数字があると元帳を細かく遡ったり、森さんの席まで行ってあれこれ質問ややりとりをしたりも頻繁にありましたが、今では「DIGGLE」の該当のリンク(※2)を送って「これ何?」と聞くだけで済むようになりました。そういった細かいコミュニケーションのしやすさにも繋がっています。

また、部門別やサービス別などの細かいレポートなどができるようになったことで、経営層で実態としての数字を解像度高くスピーディに把握できるようになり、対策が早く打てるようになりました。経営層からも実際に効果を感じる声もあがっています。

※2: 「DIGGLE」は管理する予算内容の粒度で、予算バージョンごとに個別のURLを発行。関与者は1クリックで同じデータにアクセスすることができます。

その他に「DIGGLE」導入によりできるようになったことなどがあれば教えてください。

森:IR部門の担当者も「DIGGLE」を参照して資料作成を行うなど、活用しています。人員数など非財務指標も取り込めるので、1人当たり生産性など含めたIR担当者用のレポートも別途作成しているようです。

今後の期待|キャッシュフローの管理も「DIGGLE」で完結できると嬉しい

最後に、プロダクトへのフィードバックや今後ご期待いただける点をお聞きかせください。

永島:「DIGGLE」の運用がうまくまわったので、実績の手前の先行指標となる各部で追っているKPIの管理についても強化していきたいと経営層で話しをしています。まだ指標の設定や方法含め議論中ですが「DIGGLE」の活用を検討していきたいと考えています。

森:経理で毎月入金の見通しを立てるのに資金繰り表はエクセルで作成しているので、キャッシュフロー管理でも「DIGGLE」を活用できるようになれば嬉しいです。ただ導入後は「DIGGLE」から管理会計単位に変換された実績データをダウンロードして資金繰り表の作成に活用できるようになったので、以前よりも楽になっています。

本日はありがとうございました!